陸マイラーの間で人気のSPGアメックスカード。
イイですよね。
カード更新の2年目には「無料宿泊特典で年会費以上のメリット」なんていうあたりが強調されたり、マイル無制限でたくさんのマイルに交換できるなんてところもよくアピールされています。
「マイル還元率1.25%」という点が最大のメリットみたいな結論になりがちなんですが、本当にそうなのでしょうか?
意外とマイル、貯まってないんではないですか?
SPGアメックスは提携カードです。
実はプロパーカードも最近は結構頑張っているのではないでしょうか?
旅行にいくとしたら実際何マイル貯まるのか?
最近、実際にハワイ旅行に行く機会があり、航空券とホテルを手配しました。
その時に色々と計算してみて「うむー」となったのです。
仮に、こんな感じで試算してみます。
- 航空券:ハワイまでの往復分 12万円
- ホテル:4泊程度のホテル代 6万円
実際の金額はもう少し違いますが、だいたいこんな感じでどうでしょうか?
では、これをANAマイルに交換するとどうなるでしょうか?(2019年7月時点)
SPGアメックスカードは意外とポイントが貯まらない
SPGアメックスカードは「一律1.25%」という高い還元率が注目されます。
ベースの還元率は少しでも多い方がたしかにお得感はあります。
しかし、SPGアメックスカードは還元率以上の特典がホテルに偏っているためか、マイルという観点からは、他のカードに比べてプラスアルファがありません。
常に1.25%しかない点が他のクレジットカードに負けてしまうことになる場合があるのです。
常に1.25%というのがデメリットになるのです。
しかも、1.25%が適用されるためには、6万ポイントを一気に交換する必要もあります。
SPGアメックスカードでは、
実際は18万円の決済で1%の1800ポイントしか貯まりません。
ダイナースは安定の高還元
ダイナースクラブカードはポイント還元という点ではやはり一歩リードしています。
通常カードで還元率は安定の1%、ダイナースクラブ・プレミアムカードの還元率も下がったとはいえ、SPGアメックスカードよりも高い1.5%をキープしています。
で、ダイナースクラブカードには高還元をブーストする「ダイナースクラブ・ポイントモール」があるのです。
たとえば、ダイナースクラブ・ポイントモール経由で航空券をH.I.Sで購入すると、通常ポイントの1%加え、0.5%のポイントが加算されます。
また、ダイナースクラブ・ポイントモール経由でエクスペディアでホテルを予約すれば、通常ポイントの1%に加え、2.5%のポイントが加算され、なんと還元率は3.5%になるのです。手間もほとんどかからず、ダイナースクラブオンラインからモール経由でアクセスするだけです。
もともとの高い還元率に加えて「さらにポイントアップがされる」点が隠れたメリットになっています。
会員向けの会報誌「SIGNATURE」にもお得なポイントアップキャンペーンが多数載っています。会員でないと知りにくいポイントアップキャンペーンがたびたび行われているのです。
「ダイナースはポイントがザクザク貯まる」というのはこうした部分のことを言っているのです。
ダイナースクラブカードでは、
18万円の旅行関係でポイントモールを駆使して3900マイル貯まります。
これは実に2.16%となります。
アメックスプロパーカードも実は高還元
最近はじまったアメックスの「ボーナスポイントプログラム」では、アマゾンでの購入でポイントが3倍になるようになりました。
「ボーナスポイントプログラム」は、なかなかポイントアップしにくいAmazonがラインナップされたため、そのAmazonに隠れて目立ちませんが、実はアメックスプロパーカードによる旅行関係の決済にもポイントが3倍になるようになりました。
ボーナスポイントプログラムでは、Amazon、Yahoo!ショッピング、JAL航空券、H.I.S.、iTunes、App store、Apple Musicなどでの購入に対して、ANAマイルで3%の還元がされるのです。
つまり、アメックスプロパーカードには、高還元にするための「ボーナスポイントプログラム」があるのです。
そして、同じアメックスカードであるのに、SPGアメックスカードはこの「ボーナスポイントプログラム」が使えないのです。
「ボーナスポイントプログラム」はアメックスのプロパーカードであるアメックス・グリーン、アメックスゴールド、アメックスプラチナ等でしか使えないのです。提携カードのSPGは対象外なのです。
特にSPGアメックスカードにメリットを感じる方ならば、海外旅行にもたくさん行くでしょう。
その中で出費の多くなりがちな航空券関係に「3%のマイルが付くのか」「付かないのか」は、大きな差となるのではないでしょうか。
アメックスプロパーカードでは、
18万円の旅行費用で4200マイルも貯まります。
これは実に2.33%にもなります。
そして、同じ出費であっても実際はもっとマイルは貯まるのです。
マイルは適材適所でもっと貯まる
もうお気づきのこととは思いますが、還元率の高い組み合わせで、アメックスとダイナースを併用すると単にSPGアメックスカードで購入した場合をはるかに上回る還元率になるのです。
- マイルの新星!アメックスプロパーカードで、H.I.Sで3%ゲット!
- 安定のダイナースクラブカードで、エクスペディアを使って3.5%ゲット!
- 18万円に対して合計5700マイルは3.16%の還元率
SPGアメックスカードの1.25%で計算してもたったの2250マイルしかゲットできません。
それが高還元カードを組み合わせるだけで5700マイルになります。
これは実に2.5倍以上の差で、半分以下なのです。
SPGアメックスカードのデメリットは「思考停止」
どんな買い物でも1.25%のポイントが付くと考えられているSPGアメックスカードのデメリットは、表面的な還元率の高さに満足してしまい1.25%を目指して「盲目に全ての決済をSPGアメックスカードに集約してしまう」ことです。
SPGアメックスカードは、そもそも1%なのです。
1.25%にするためには、すくなくとも200万円の決済が必要です。
これはとても不便なルールです。
200万円未満ではポイントは1%のままです。
なので、1.25%のボーナスを得るべく、何が何でもわき目もふらずに少なくとも200万円までは何でも決済してしましがちではないでしょうか?(それがSPGの狙いです。)
SPGアメックスカードなら他のカードよりもベースの表面上の還元率が1.25%で有利になるからと、それ以上考えずに安心してSPGアメックスカードで決済してしまいがちです。
本来1%なのに、1.25%のボーナスというニンジンを目指してまっしぐらに走ってしまうのです。
よくあるトリックなのですが、それは、やはりもったいないと思います。
仮に350万円分のポイントがあったとした場合、200万円分が1.25%で還元できても残りの150万円分は1%なのです。
つまり、350万円分のポイントがあったとしてもコレを一気に交換すると、200万円分は1.25%で25,000マイル、150万円分は1%で15,000マイルに交換となります。この合計40,000マイルの還元率はたったの1.14%に過ぎないのです。
SPGアメックスカードでは、それほどマイルは貯まらないし、もっとマイルが貯まる方法が他にあるのです。
一回の旅行でのマイル獲得に2.5倍以上の差が出てしまうとなると、これから先どれだけ損をしてしまうことになるのか。
思考停止せずに考え続ける必要がありそうです。